えっ！プロってなに？

　プロの定義ってことか？

　ん〜、簡単そうでむずかしいような気がするぞ。まずアマチュアとの違いを考えてみるか。いちばん大きな違いは、お金をもらうかどうかってことだな。労働をし、その対価としての金銭をいただく。言い換えれば、お金をもらえるだけの労働量もしくはクオリティを持ってるかどうかってことだな。じゃあ、フリーターもプロか？…ん〜、労働に対してお金をもらってるのであれば、仕事の内容がマニュアルどおりにやればすぐにでも出来る簡単なものであれ、多少の訓練が必要なものであれ、プロだな。だから魚屋や床屋や車屋や、サラリーマンやOLや役人だって、すべての社会人がみんなプロだな。ある仕事で食ってればプロだろう。その仕事で食ってるかどうかが、アマとプロの違いだな。たしか辞書にも「本職とすること」と書いてあったぞ。ん？じゃあ、多才な能力でいろんな仕事をして、そのそれぞれで稼いでいて、どれが本職ともいえないような人はプロではないのかな？んん〜っ…食おうと思えば、そのうちのひとつの仕事だけでも食っていけるだけの技量があるかどうかだな。マルチに活躍し、稼いでいる人は一人の中にプロが何人もいるようなもんだな。いわば"ひとりプロ集団"だな。じゃあ、やっぱりフリーターはプロじゃないな。ひとつの仕事で食っていく技量も、それを身に付ける根気もないから、簡単な仕事を短期間ですまして、日銭を稼いでるだろう？だから、いくつかの仕事を掛け持ちしてるとか、またはいくつもの仕事の経験があるとしても、そのひとつひとつの仕事に対して技量が低く、稼ぎが少ないのなら、プロとは呼べないな。（！）待てよ。ひとつひとつの仕事にはプロの定義が当てはまらないとしても、それらの集積で食ってれば、いわば、フリーターのプロじゃないのか？ん〜ん〜ん〜。それに精神的な部分での定義ってあるような気がするよな？例えば、言われたことだけをやってる人もプロなのか？常に向上心を持ち、新しいものを産み出そうと努力している人と比べたとき、同じプロと呼んでいいのか？さらに言えば、上昇志向はあっても、現時点でのスキルは低い新人はどうだ？将来性への投資という意味で給料を貰ってる状態でもプロといえるのか？でも新人はいいよなあ、新人は。何の責任もなくて、将来には希望があってさ。けどよ、新人の間にはなかった差が、どんどんついてって出世に開きが生まれてよ、落ちこぼれた奴は夢も希望もなくなってくんだよなあ。あんた、新人だろ。わかるよ、はっきり言ってヘタだもん。そもそもなんで俺にそんな質問したんだ。どうせ前の客にでも「おまえはプロじゃない！」とかなんとか言われてキレてんじゃないのか？しかたないじゃないか。この仕事始めたばっかだろ？せいぜい先輩を見習ってサービスしなよ。そうしたら俺があんたをプロと認めてやるからさ。あ！サービスだ、サービス！人にサービスしてるかどうか、クライアントに喜んでもらえるかどうかがプロの決め手じゃないのか？そうだ、そうだよ！求めに応じて答えを出せるかどうかだよ。そしてお客を満足させられたらプロ…なんだよ…えっ？どうなのよって…そりゃ満足…あっ……

　あらら、ややこしいことになっちゃいましたねえ？
　プロの定義とはいったい、金か技量か精神か？…。
　はたまた、それらのすべてが備わって初めてプロと呼べるのか？
　ちなみに私は、自分をプロと呼んで自分自身に恥ずかしくなければ
プロだと思うぞ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　06.夏（黒田クーリー）