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Athlete(アスリート)◆       top  
 
vol.1  「アスリートもしくは勝負師 〜外ノ池亜紀の挑戦〜」

 冬季オリンピックに3度の出場を果たし、日本の女子スピードスケート界の第一人者であった、外ノ池亜紀選手が、スケートを引退し、今度はプロゴルファーを目指すという。しかも、私が構成・演出に携わっているゴルフレッスン番組の主役、御存知、江連忠氏に師事するということなのだ。しかし、彼女は過去にゴルフ経験がほとんどないという。

 私も、無謀だという思いが強い反面、今までに数々の実績を残してきたトップアスリートの運動能力なら、何とかなるのではないか、人間の能力のすごさを見せてくれるかもしれないという淡い期待もしてしまうのだ。

 しかし、なぜ彼女は競技を始めるのに全くもって遅いと言わざるをえない27歳という年齢から、門外漢であった競技のプロを目指すのであろうか。有体な想像で言うならば、身体の内なるところから枯渇することなく湧き出る、アスリートとしての本能がそうさせるのであろう、などということになってしまうのだが・・・。

 「ずっと勝負の世界で生きてきたので、これからも勝負の世界で生きていきたい」と彼女は言う。なるほど、彼女のなかでは、スピードスケートもゴルフも「勝負」というキーワードで並べることが出来るのだ。勝負とは…人との勝負、記録との勝負、自然環境との勝負、そして何より自分との勝負…。そう考えると、確かにまったく似ているじゃないか、共通点の多い種目同士じゃないかと思えてくる。

 かつて、他のスポーツからの転身を図った例に、サッカー元日本代表、ガンバ大坂の司令塔であった磯貝洋光がいた。私はサッカーフリークであるから、故障などあったとはいえ、磯貝の早過ぎる引退に歯噛みし、自分を納得させた後は、いつの日かプロゴルファーとして脚光を浴びる姿を待ち望んだのだが、どうやらその希望は叶えられそうにない。

 ソフトボールや野球など、棒状のもので球を打つという、ゴルフとの共通点が、見た目に解りやすい競技からの転身ならいざ知らず、足でボールを扱うという、ある意味、特異な動作を幼少の頃から続け、そのジャンルで才能を発揮した人間が、多分、全く違う筋肉を使うことが多く、全く違う動作を要求されるゴルフという競技で成功するわけもないとは、薄々解りつつ、一流アスリートの対応力や常人には及びもつかない運動神経を信じたい身としては、認めたくはなかったことなのだが・・・。

 さて、外ノ池さんはどうだろうか。超人的に強靭な足腰を持っていることは想像に難くないが、果たして、それがゴルフという競技におけるひとつひとつの動作に、どう結びつき、活かされるのか・・・。江連コーチの手腕と共に、たいそう楽しみである。

 どういう結果になるのであれ、私などから見れば、まばゆいばかりの生命力の光を放つひとりのアスリートの挑戦を、興味深く、そして熱烈なエールを送りつつ見守っていきたいのだ。そして、いつの日か、わが番組に登場してくださいね。

'06. 晩秋 (黒田クーリー)