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Broadcast       top  vol.1
 
vol.2 「百害あって利はいくつ?」

バラエティ番組などを見ていると、時々、タレントの成長ぶりに感心させられることがある 。

 当たり前のことだが、タレントといっても多くの場合、テレビに露出しはじめた頃は、いわゆる「素人に毛の生えた」程度のものであるからして、タレントとしての作法がなってないし、番組内での身の処し方も判らず、出て行くタイミングもつかめない。結果、大声を張り上げるという抵抗を試みるか、それもできず、あえなく埋没(いわゆる「消える」)するのだが、それらの目に見える部分は、露出の回数を重ねることによって、みるみる改善されていき、本人の不安が視聴者にも伝わることから起る、なんとも言えない居心地(見心地)の悪さは払拭されていく。そして一応は、「そこにいても良いタレント」となる。その過程で見える“アカ抜けぶり”や“キャラの立ち方”、タレントとしての表現力の向上は、なかなかのものである。しかし、大事なのはここからで、最も感心させられるのは、その後の成長ぶり・・・“常識ある社会人としての成長”が見て取れることなのである。

 それが顕著なのは、物事の吸収スピードが速い若手の、アイドル路線のタレントである。ジャニーズ事務所所属のタレントたちなどは、まさにその典型である。各グループがレギュラー番組を持ち、そのほとんどがバラエティ番組であるがゆえに、もちろん、おおいにふざけていたり、失礼な言動をしたりはしているが、何年間にも及ぶ番組上でのさまざまな体験を通して、新幹線の切符の買い方も知らなかった(そこまででなくとも)まったく世間知らずだった若者が、どんどん知識を吸収していき、それを表現するボキャブラリーを目に見えて充実させていくさまは興味深く面白いし、見事とも言える。「こいつが、なこと言えるようになったんか!」と驚かされ、若者に対する頼もしさを感じさせてくれることも往々にしてある。ひょっとしたら無目的に惰性でサラリーマンをやっている若者より、よほど充実した社会教育を、日々受けていることになっているであろうことが想像できる。

 成長は、出演者であるタレントだけではなく、制作担当者についても言えることなのだ。企画を立ち上げるためには、「一般教養や社会通念」、「世相をキャッチするアンテナ」と「想像力(アイデア)」が必要であるし、構成するためには「言葉」を操る方法論が必要だ。収録のためには各所との「交渉力」が必要だし、演出は「アカデミックな方法論」に「オリジナルの感性」を多重に塗りこめなくてはならない。そしてなにより、「心の柔軟さと豊かさ」がたいせつだ。五体と五感をフル稼働させ、日々それらを繰り返しながら成長していくスピードはタレントと同等以上でなければならない。

 テレビは百害あるかもしれないが、「作りよう」や「見よう」によっては、百利あるかもしれないと、ポジティブに進んで行きましょう。

06. 夏(文 / 黒田クーリー)